犬猫生活福祉財団では、犬猫の保護活動を行われている団体へ向けた助成金の交付を実施しています。
2022年度助成では、令和4年6月14日に10団体へ総額200万円の助成金を交付しました。
本助成を受けて、団体さんをどのようにサポートできたのでしょうか?
今回は、2022年度助成先団体 NPO法人 ねこひげハウス 石川さんに、活動内容や本助成の交付についてお話を伺いました。
インタビュアー:犬猫生活福祉財団 福田、高山)
石川さん、今日はお忙しい中ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
石川さん)
よろしくお願いいたします。
高山)
それでは早速、ねこひげハウスさんの設立の経緯や、活動内容について教えていただけますでしょうか。
石川さん)
ねこひげハウスは多頭飼育のアニマルボーダーのおうちと知り合い、猫たちを保護したことが始まりです。その家をシェルターとして借り上げ、現在は約107匹の猫と2匹の犬が保護施設にいます。(2023年5月現在)
当時の猫たちは福祉が守られておらず、とてもベストな状態とは思えませんでした。
そこで、何とかしたい思いでボランティアから始まり、法人化にいたりました。
猫たちのシニア化が進み、ここ5〜6年は病気の猫の看病・看取りや傷病猫の保護、緊急保護そして里親探しがメインの活動となっています。
今後は経験を活かし、社会問題となっている高齢者宅で取り残されるペットの問題解決に向けて、他団体の引き取りが難しい猫を預かる形も目指しています。
高山)
ありがとうございます。
活動を行う上で、特に大切にされている考え等があれば教えてください。
石川さん)
私たちは「動物福祉」をとても大切にしています。
シニアの猫たちが多いので、施設で一生を終える子もいます。
その子たちが穏やかに過ごしてもらえるように、暮らしていく上でより良い環境作りだったり、衛生的に保つことを意識しています。
猫の相性もあるので、部屋分けや環境の整備等を行いながら、なるべくケージはオープンにした状態でゆったり過ごしてもらえるようにしています。(検疫期間等、ケージが必要な場合を除く)
また、医療に関しては資金面で大変な部分もありますが、私たちができる最大限の医療を提供できるようにしています。
高山)
素敵な考えですね。
それでは、実際に活動されていて苦労することはどんなところですか?
石川さん)
たくさんありすぎて、そうですね…
運営の話になりますが、人手不足の問題は苦労しているところですね。
日本におけるボランティア文化は、意識の温度差があるように感じます。
例えばシフトを組んだときに、当日にドタキャンがあったり、遊びに行くから休みますって方もいらっしゃったり…
うちはシェルターなので、休んでも誰かがいるかなとか、責任が少し軽く感じるのかもしれません。
責任を持ってやっていただけるボランティアさんもたくさんいらっしゃいますが、そういう面で人の定着は大変ですね。やっぱり人手がいなきゃ何もできないので…
あとは、資金面でも苦労しています。
NPO法人でも、行政や国から補助金がもらえることはほとんどないので、その辺は勘違いされてる方は多いと感じます。その辺の認識の違いは広げていきたいです。
結局は個人の持ち出しになってしまうこともあります。
高山)
教えていただきありがとうございます。
それでは、本助成金の交付を受けての感想を教えていただければと思います。
本助成に応募された経緯やきっかけについて教えてください。
石川さん)
助成金は知人から募集している旨を教えていただきまして、申請させていただきました。
高山)
本助成金の申請にあたり難しいと感じたところ、簡単だと感じたところはありますか?
石川さん)
そうですね、うちは傷病猫が多く譲渡数が少なく看取り数も多いので、他の申請をする際にでも不利になることもあるのですが、犬猫生活福祉財団さんの助成金に申請する際には、その点も補足で書かせていただけたりするので、とてもやりやすかったです。
福田)
温かいお言葉をありがとうございます!
そうおっしゃっていただけて幸いです。
高山)
助成金の具体的な使い道について教えていただけますでしょうか。
石川さん)
猫たちの医療費、用品代、ご飯代に使わせていただいております。
高山)
教えていただきありがとうございます。
企業や行政等の助成事業について、「もっとこうだったら良いのに」という希望などがあれば教えてください。
石川さん)
終生保護に対する助成金があると助かります。
譲渡に対する助成は多いですが、保護に対する助成は少ない印象があるので。
高山)
NPO法人 ねこひげハウスさまの、今後の活動や目指していきたい未来について教えてください。
石川さん)
成猫やシニア猫、傷病猫を積極的に引き取り、行き場に困る子達を救いたいです。
もちろんわんちゃんも。
終生ホームにもなれるよう、目指していきたいです。
高山)
ありがとうございます。
NPO法人 ねこひげハウスさんの支援者様へメッセージがあれば教えてください。
石川さん)
まだまだ手一杯で活動が伝わりにくい部分があるかと思いますが、応援していただけたら嬉しいです!
沢山の方の応援が励みになっているので、引き続きよろしくお願いいたします。
高山)
ありがとうございます。
それでは最後に、犬猫生活へメッセージがあれば教えてください!
石川さん)
色々な試みに感謝しています!ボランティア募集情報を掲載できる犬猫ワークスの存在も大きいです。
法人格をもっていても手一杯で進まない小さい団体さんも多いと思います。そういった団体も今後支援いただけますと嬉しいです。
高山)
温かいお言葉をありがとうございます。
今後とも他団体さまのサポートの面でも活動を広げていければと思います。
福田)
貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
私たちもシェルターを運用している中で、犬猫の「福祉」の提供を大切にしています。少ない人数で福祉を担保することは、とても大変なことだと思いますがお互い頑張っていきましょう!
私たちが大切にしている想いをより多くの方に知っていただきたいですね。
石川さん)
そうですね。団体によって、目指している想いは違うと思いますが、「いのちを守りたい」という思いは同じだと思います。
あと、施設で適正な管理をされている猫ちゃんは、不幸ではないということも知ってほしいです。
身体にハンデがある猫ちゃんも里親さんに目を向けてもらえるよう、犬猫生活福祉財団さんにも発信してもらいたいです!
また、最初にお伝えした高齢者のペット問題も多くの方に知っていただきたいです。
今いる子たちを遺さない、あらかじめ知人や身内に引き取ってもらえるようにすることが大切です。
飼い主さんが倒れてしまって家に犬猫が残ってしまった場合、レスキューまでに時間がかかってしまいその間に餓死をしてしまうケースがあります。
少しでも不安があれば、大切にしている犬猫を手放す勇気を持ってほしいと思います。
福田)
貴重なご意見をありがとうございます。
犬猫生活福祉財団では、WEBを活用した啓発活動等も行っておりますので、広めていければと思います。
福田・高山)
本日はお忙しい中お時間を割いていただき誠にありがとうございました。
今後ともお力になれるよう、励んで参ります。
石川さん)
今後ともよろしくお願いいたします!
NPO法人 ねこひげハウス
ホームページ:https://nekohigehouse.org/
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ブログ:https://ameblo.jp/nekohigehouse/
あとがき
⽇本にはすでに素晴らしい活動をしている団体が多く存在しています。
殺処分ゼロの実現、その先の動物福祉の向上のためには、多くの⽅が協⼒し合い解決していくことが必要です。
我々は引き続き他団体のサポートを通じて、共に問題の解決にあたることを⽬指していきます。