保護動物のシェルタースタッフは、日々どんなお仕事をしているのでしょうか?今日は犬猫タウン前橋のスタッフ”しげちゃん”の1日に密着しながら、保護された犬猫のお世話など日々のシェルター業務についてお伝えしていきます!
目次
冬のとある1日の業務
※飼育頭数や個体の特性によって日々スケジュールは変わるため、取材時の1日の業務となります。
9時 出勤
犬猫タウン前橋に到着!
しげちゃんは主に「わんこ村」を担当。わんちゃんたちに朝のあいさつをすることから、シェルターでの1日がスタートします。
挨拶をしたら、ドッグランに通じる扉の雨戸を開けて、わんこ村の換気&日の光を入れます。
その後、朝ごはんの準備へ。取材時は子犬と高齢犬がおり、ドライフードをあらかじめふやかしたりしていました。わんちゃんの様子を見ながら、状態に応じて日々フードの与え方も変えています。
9時15分ごろ 犬舎の掃除
わんちゃんたちの健康のため、清潔を保つことも大事な仕事です。そのため、朝に壁のふきあげ、床のふきあげを実施しています。
主な手順はこちら。
1)夜の間にわんちゃんたちがしたうんち、おしっこを片付ける
2)毛やほこりなどを、ほうきや掃除機で取り除く
3)モップやウエスを使いながら、次亜塩素酸を撒いてふきあげる
なかなか体力がいりそうですね…!
9時30分〜 子犬たちの朝ごはん
生後2ヶ月の子犬、大和と小鉄に朝ごはんを与えます。
シェルターでは、わんちゃんたちがなるべく暇を持て余すことがないよう、ごはんの際は「コング」という知育玩具を活用しています。
子犬たちの朝ご飯は、コングに詰めて3回に分けて与えて、楽しいごはん時間が長く続くように工夫しています。
9時35分〜 おばぁわん、さくらのお散歩
子犬に朝ごはんの1回目を与えたら、次は成犬のお散歩タイムです。
12月に保健所からシェルターにやってきたさくらさんは12歳。最初はお散歩にあまり行きたがりませんでしたが、公園に連れて行ったりするうちに、徐々にお散歩を楽しめるようになってきました。
10時〜 さくらのご飯
お散歩から帰ってきたら、さくらのご飯タイム。朝イチでふやかしておいたフードを出すと、ペロリと完食です。
そして子犬たちに2回目の朝ご飯(コング)を与えます。
10時10分〜 お掃除タイム
お次は通路やトイレ、里親希望者さまとの面談室など、わんこ村以外のスペースを掃除します。
10時30分〜 ドッグランタイム
さくらや子犬たちを、交代でドッグランに出して運動してもらいます。
「動物の愛護及び管理に関する法律」(動物愛護管理法)では、飼育スペースに関する規定があり、寝床や休息場所となるケージと運動スペースを分離するタイプの場合は、 1日3時間以上運動スペースに出し運動させることを義務付けられています。
参考)環境省「適正な飼養管理の基準の具体化について 飼養管理基準として定める事項」
犬猫タウン前橋はそのため、ドッグランを2カ所作り、お散歩以外にも毎日ドッグランでの運動時間を設けています。
ただ、夏や冬の屋外環境は高齢犬などには危ない場合もあり、対策として屋内にもドッグランスペースを追加で作りました。天候に応じて、中と外を使いながら運動時間を確保しています。
子犬たちは、おもちゃをひっぱりっこしたり駆け回ったり、楽しそうに遊んでいました!
遊び疲れたら、その後はしばしおねむタイムへ・・・。
12時〜 子犬のお昼ご飯
子犬たちはお昼も2回に分けてコングでご飯タイムです。
12時30分〜 しげちゃんお昼休憩
13時30分〜 午後の業務スタート!
午後はシェルター全体の中で、その時に必要な業務をすることが多いのだそう。
しげちゃんはDIYが得意なため、シェルターの修繕や、事務室に棚を増設したりと大活躍されています!
この日は大寒波が到来しており水道管が凍ってしまったので、ヒーターを巻いたりと外のメンテナンスへ。
また、写真も得意なしげちゃんは、里親募集用のわんにゃんの写真を撮影したり、ピックアップする業務も午後の時間に行っているそうです。
14時〜 午後のドッグランタイム
お昼を食べてしばしまったり過ごした子犬たちを、再びドッグランへ!
さくらさんも運動タイムですが、おばぁわんなので午後は排泄のため外へ出て、すぐに戻ってきて中でまったり過ごすことが多いそうです。笑
16時30分〜 晩ごはんの準備&さくらのお散歩
朝と同じように、ドライフードをふやかして準備します。
そしてふやかしている間に、さくらさんと夕方のお散歩へ。
子犬たちはまだお散歩の慣らし期間で、こうして抱っこして少しずつ外に出る練習をおこなっています。
夜17時〜 わんちゃんの晩ごはん
子犬たちは朝と同じように、コングを使って3回に分けて与えます。
さくらさんは1日2回のご飯です。
17時10分〜 わんちゃんの寝る部屋の準備
生後10日ほどでシェルターにやってきて、スタッフにミルクをもらい育った子犬たち。将来、別々の里親さんにもらわれることを想定し、日中は1頭で過ごす時間を作るため、別々の部屋にいる時間を設けています。
急に離すと不安の方が大きくなるため、今はまだ寝る時は一緒にしています。そのため、この時間に2頭を一緒のお部屋に入れて、日中使った部屋は片付けて消毒を行っています。今後は慣れ具合を見ながら、徐々に夜も別々の部屋で寝るトレーニングしていく予定です。
18時 退勤
帰り支度をして、戸締まりをしたら退勤です。今日もお疲れ様でした!
しげちゃんに仕事についてお話を伺いました!
Q、シェルターの仕事の楽しいところはどんなところですか?
保護施設なので、年齢も、ここに来るまでの背景もバラバラで、いろんな性格の子たちがいることでしょうか。どの子も同じ風に接したらダメで、その子にはその子なりの接し方があるということを、ドッグトレーナーも兼ねているわんこ村責任者に教えてもらいながら、日々とても勉強になっています。
Q、大変なところは?
アドバイザーを依頼している外部のトレーナーさんによる勉強会などを通じて、かつてはわんちゃんのために良いと思っていたことも、トレーニングとしては良くないこともあると学びました。
接し方ひとつで、その子との意思疎通がとれなくなることもあるので、わんちゃんとのコミュニケーションはかなり気をつかっています。
その子その子で性格が違うので、当然接し方も違ってくるし、楽しい反面そこが大変だなと思います。
以上、シェルタースタッフの1日として、わんこ村担当しげちゃんの1日をご紹介しました。わんちゃんに愛情を注ぎながら、里親さんの元で幸せに過ごせるように気をつけて接している姿が印象的でした!