犬猫生活福祉財団の「前橋シェルター(犬猫タウン前橋)」では、様々な形でボランティアさんにお力を貸していただいています。
その中でも、特に手間や時間を要するのが、生まれたばかりの子猫ちゃんたちを預かっていただく「ミルクボランティア」です。自力でミルクを飲んだり排泄したりできないため、細やかなケアが必要です。
今回は、そんなミルクボランティアとして、これまでに21頭もの猫ちゃんたちを預かってくださっているKさまにお話を伺いました。愛らしい子猫ちゃんたちのお世話の実際や、事務局のサポート体制についてのお考えも、詳しく教えていただきました。
ミルクボランティアに興味のある方にはぜひ参考にしていただけると幸いです。
■インタビュースタート!
犬猫:本日はお話をお伺いできるとのことで、ありがとうございます!
Kさま:いえいえ、私の体験がお役に立てれば嬉しいです。
犬猫:早速ですが、Kさまはどうしてミルクボランティアに興味を持たれたのですか?
Kさま:猫ちゃんが大好きで、長年一緒に暮らしています。実家にも昔からいましたし、今も16歳の猫ちゃんが1頭います。本当は新しい子を迎えたいのですが、今私自身60代後半で、自分の年齢的にもこれから子猫を迎えるのは難しいかなと思っています。そんなとき、前橋市に犬猫生活福祉財団のシェルターができるという新聞記事を読んだんです。ちょうどYouTubeで子猫ちゃんを育てている動画を観たりしていたので、「私も赤ちゃん猫のお世話をしてみたいな」という気持ちが高まりました。
犬猫:実際にミルクボランティアとして活動を始められたのはいつ頃ですか?
Kさま:2022年2月にボランティア登録をして、同じ年の5月に初めてミルクちゃんをお預かりしました。最初はちょっと不安もありましたが、ボランティア登録のあと、研修もありましたし、シェルターで哺乳瓶の使い方や乳首の切り方まで丁寧に教えていただけました。
■ミルクボランティアとは? ~お世話の実際~
犬猫:ミルクボランティアと聞くと、夜中まで付きっきりでお世話するイメージがあるのですが、実際はいかがですか?
Kさま:たしかに、生まれてすぐの赤ちゃん猫の場合は、最初の2週間が一番大変ですね。でも、思っていたほど大変ではありませんでした。十分な量を飲んでくれる子だと、お腹が空いて自分から起きてくるまで4~6時間あくことも多いんですよ。夜もちゃんと寝てくれて、その間は私も寝ますし、ずっと起きっぱなしというわけではありません。もちろん、生まれたばかりのときは体調が安定しない子もいるので、もう少し頻繁に様子を見ないといけないケースもあるのですが、それでも人間の赤ちゃんほど手がかかる印象ではないですね。起きてきても、人間の赤ちゃんのように大きな声で泣いて、何かを求めてくるわけでもないですし。
犬猫:おしっこや排泄のケアも必要と聞きますが、どのようにされているのでしょう?
Kさま:子猫は自力でうまく排泄できないので、ティッシュなどでお尻をトントンと刺激してあげるとおしっこが出ます。ミルクを飲んで、おしっこして、そのまま眠っちゃう子が多いですね。下痢が続くような場合は、スタッフさんに相談して薬を飲ませることもあります。錠剤を砕いてお湯で溶かしてシリンジで与えます。通院の費用は財団が負担してくださるので、金銭的な面を考えなくていいのは助かります。
犬猫:お世話をするうえで、一番気を付けていることは何でしょう?
Kさま:やっぱり安全面ですね。まだ目が開いたばかりの子猫は、そこまで動き回りませんが、1か月もすると運動量が増えてきます。うちは猫ちゃんたち専用の「猫部屋」を準備しているのですが、部屋の中にコード類やジョイントマットなどかじりそうな物を置かない、ドアも二重にして脱走しないように注意しています。
■サポート体制と活動スタイル
犬猫:ミルクやフードなど、お世話に必要な物はどうされていますか?
Kさま:子猫用のミルクやカリカリ(ドライフード)、猫砂などは、すべて犬猫生活福祉財団から支給していただけます。うちは猫砂は家にあるものを使うので遠慮していますが。通院費用もシェルター併設の病院や、提携先の動物病院に連れていけば、私のほうで支払うことはありません。「猫ちゃん預かってお金かかって大変じゃない?」と聞かれることがあるんですが、そういった心配はないので助かりますね。(※サポートの範囲は団体によります。)
犬猫:財団スタッフとのやりとりはどうしていますか?
Kさま:スタッフさんとLINEで連絡を取り合っています。何もなければ1週間に1回は様子を報告することになっていますが、心配なことがあれば気軽に連絡しています。ウンチの写真を送ったり、「ちょっと元気がない気がする」と連絡したり。すぐにお返事も来ますし、丁寧にアドバイスももらえるので、安心できます。
犬猫:ボランティア期間はどれくらいでしょうか?
Kさま:生後3か月くらいまで預かることが多いですね。ミルクちゃんの時期が終わり、離乳して自分でご飯を食べられるようなった後、避妊・去勢手術の日にシェルターにお返して、里親さん探しが始まります。私は年に2回くらいのペースでミルクの子を受け入れていて、去年は離乳後の子猫も含めて合計4クール預かりました。ミルクちゃんの場合最初の2週間は大変ですが、その後は外出もしやすくなりますし、楽になります。
犬猫:もっとこうなったらいいなと思うことはありますか?
Kさま:同じ時期にボランティアしてる人同士で連絡が取り合えるといいなと思ったりします。ママ友みたいな感じで、そっちはどう?なんて話ができると、不安や負担を抱え込みにくいんじゃないかなと。成長段階や健康状況で、比べて焦ったりするようなことがあるのはよくないとは思いますけれどね。これもママ友と同じですよね(笑)
■家族の理解と先住猫への配慮
犬猫:ご家族の協力や先住猫ちゃんとの関係はどうされていますか?
Kさま:うちは主人も娘も猫ちゃんが好きなので、「次の子はいつ来るの?」と、みんなで楽しみに待っています。目薬をやるときには娘に子猫ちゃんを抱っこしてもらったり、手伝ってくれる人がいるのも、助かりますね。先住猫はもう16歳のシニアなので、あまり動き回らないんですが、部屋を分けているので特にストレスもなさそうです。
犬猫:さきほど「猫部屋」をつくっているとのことでしたが、どんな環境ですか。
Kさま:巣立った長男の部屋を猫部屋にしました。ミルクちゃんのときは、ソフトケージに入れて、最初はそこで寝かせたり、トイレトレーニングをしています。ある程度大きくなって自分でトイレができるようになったら、部屋全体に放して遊ばせています。
■ミルクボランティアの魅力とやりがい
犬猫:実際にやってみて、ミルクボランティアのどんなところが一番の魅力だと思いますか?
Kさま:やっぱり、赤ちゃん猫はものすごく可愛いですね。これまで預かった子たちのアルバムを毎回作っていて、8冊になりました!毎回、個性が違うのも楽しいですよ。男の子は指をチュパチュパ吸ってくる甘えん坊が多かったり、女の子はお転婆だったり(笑)。お別れのときは、少し寂しいですけれどね。今まで預かった子のうち1頭が、知り合いが里親になったんです。たまに会いに行きますよ。もう猫ちゃんは覚えていないでしょうけれど、会えると嬉しいですね。
■これからミルクボランティアを始めてみたい方へ
犬猫:最後に、ミルクボランティアに興味を持っている方にメッセージをお願いします。
Kさま:子猫の一番かわいい時期を一緒に過ごせる、すごく幸せなボランティアなので、猫ちゃん好きな方にはぜひこれを味わってほしいですね。日中お仕事がある方はちょっと難しいと思いますが、私のように、子どもが巣立って手が空いた方にはオススメのボランティアです。全く大変じゃないとは言いませんが、最初の2週間を乗り越えれば、あとは子猫が自分で遊び、トイレもできるようになります。私は旅行も好きですが、ミルクちゃんの預かりが終わる時期や、ミルクちゃんが出てこない冬の時期に旅行の予定を入れたりして、両立していますよ。犬猫生活福祉財団では、ミルクやフードなども用意してくれますし、LINEでスタッフさんにすぐ相談できるので、安心です。「ミルクボランティアはハードルが高そう…」と感じている方も、まずはスタッフさんの話を聞いてみてほしいですね。
■まとめ
何度もボランティアを経験されているKさまの体験談は、とても具体的で、ミルクボランティアの実際を知るために、とても参考になる内容だったかと思います。「猫を迎えたいけれど、終生飼育は難しいかも」「子猫ちゃんのお世話には興味があるけれど、できるか不安」という方も、まずはぜひシェルターにご相談いただけると嬉しいです。